(新田さんから、紀行文をいただきました。ありがとうございました。 では、どうぞ)
本屋でふと手にした横山秀夫著（「半落ち」の作者でもある）の 「クライマーズハイ」を一気に読んでしまいました。
日航ジャンボ機墜落事故を追う群馬の地方新聞記者達の正義感、 大手紙との特ダネすっぱ抜き競争、会社内の勢力争い、出世競争、家族問題等の諸問題、 それらと対比するような趣味の登山と友人の死が描かれた小説です。 テーマが多すぎるので難解ですが、作者が元記者だけに、 新聞つくりの描写は臨場感あふれ、感心しました。 また、引き込まれていったのでした。推測するに実話なのではないでしょうか。
そんなことで読後暫く「群馬、ぐんま、グンマ・・・」という余韻が頭の中に残って しまいました。
隠密で新潟に行く途中、そうだ今いるここは群馬なのだと気付いたとたん、 何か無性に、実は勝手に予定を変更して、法師温泉に寄ってみたのでした。 そこは、猿が京温泉から三国峠を上り始めたところの分岐点を5kmくらい 行った所にありました。
この温泉は、「日本秘湯を守る会」に所属していて、 昔フルムーンのCM（例の上原謙と高峰三枝子が写っているポスター） でも知っていましたがこんな山奥の一軒宿とは知りませんでした。
空気のせいかすごく気分が爽快になっていくのでした。 そうして、外から見ると大昔の木造の宿でしたが、内部は改装され、立派なものでした。
驚いたのは、浴槽中に暗黙のパーテーションがあり、 指定場所に浸かる必要があることと湯温がやけに温いことでした。 温いなとつぶやいたたら声が聞こえてしまったのか、 隣の人が「酒飲んで入るとこれがいいんだな」と解説してくれました。 さらに混浴ならではのクボさんのネンリキ事件もあり、びっくりでした。
そんな日頃の疲れを癒してくれた、些細な温泉2時間ツアーでした。